りんごとみかん

ゆるオタクのひとりごと

劇団シャイニング BLOODY SHADOWS 初日 感想

舞台版ブラシャ初日2公演行ってきました。
最高でした!本当に劇シャイが大好きだ〜!

 

※以下盛大にネタバレを含みます。

もろに内容を含みますのでお気を付けて

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今回からOPとED?に歌がつきましたね。ぐっと世界観に引き込まれる演出。ブラシャっぽいなぁと思いました。

後日談と聞いていたのであんまり原作シーンはやらないかなぁと思っていたのですが、思ったよりも入っていました!原作のおたくとしてはそれが嬉しくて嬉しくて。初っ端が原作の最後のシーンだったし、途中途中に回想としても含まれていました。それ以外にも過去回想シーンが結構あって、ブラシャの物語の続きを単に描くのではなく、全体的にお話が補完されるような感じでとても面白かったです。

一個だけね、原作を前日に聞き返して、あ〜このマサフェリー見たいなぁ…って思ったところは含まれてなかったのだけが残念でした。(他に十分ありましたけれども!わがまま!)恋人が生贄に選ばれたと知ってウォーレンに泣きながら話すところです。見たかった……。

 

原作では終わりで舞台では始まりのシーン。マサフェリーが実際にバンパイアになるところ。……だ、大事件だった……ウォーレンがマサフェリーの首元に噛み付いて、、。いやうん、そうだよね。どっちかが噛みつかないとならないよね。アイレスはやらないよね。だったらウォーレンだよね。と想像することはできるのですが、実際に目の当たりにして、ものすごく衝撃を受けました。まさかあんなものを見られる日が来るとは…ありがとう、最高でした。
仮にもしここでアイレスがやっていたら、マサフェリーの魔力はもっと強かったのかなぁなんて思ったりもしました。

 

長らく作品を追ってると、もう台詞を読んだだけで声が再生できるし声を聞くだけで表情を思い浮かべられるじゃないですか。それでも実際目にするとやっぱり感動するし、こんな風に笑うんだ、こんな仕草をするんだ。役者さんなりの解釈を通して見るものがとても新鮮で、でも決して自分の解釈から外れることもほとんどなくて。劇シャイを見るといつもそこに”いる”彼らに感動してしまいます。


とくに好きだなぁって思ったのは、はじめに森を調べるマサフェリーが気配の正体をウォーレンだと気づいたときの声と表情です。なんだお前か!みたいな。獣かなって警戒していたけど仲間だったっていう安堵なのかな。マサフェリーってこんな風にウォーレンの名前を呼ぶこと、あるんだ……あるんだな……親友だもんね…。想像以上に親友だった……。

あとは原作でもあった、ウォーレンの恋の話を聞き出すマサフェリー。本当に男の子が(子って年でもないだろうけど)友達から恋話をさせようとする感じ、すごく日常的な会話で緊張感がなくて自然体でよかったです。


アイレス、本当にアイレスすぎる。原作の頃からずっと想像していた通りのアイレスでした。はじめに声を出した瞬間似てる〜!と思いました。ウォーレンのセリフで、「精巧な人形なのかと思った」みたいなのがありますが、本当にそれなんですよ。顔が動かない。喋る時も口元しか動かない感じ。もしかして瞬きも限りなく減らしていたりして…?と思うくらいに、お人形さんのようなんです。きっとアイレスを演じるにあたって意識しているのかなって思います。そしてそんなアイレスが笑うところが可愛くて可愛くて。2人の過去回想シーンではウォーレンに全力で同意しています。

でもウォーレンがマサフェリーに味方しようとすると酷く激昂してヤンデレになるの、君はそっちの感情には豊かだなぁ〜!キミにはボクしかいないのにって叫ぶところのセリフが大好きです。言い方も含めて、とにかくとにかく大好き、、、アイレス〜!ってなります(語彙力)

 

ラインハルトの最期のシーンをありがたいことに目の前で拝むことができたのですが、マサフェリー、まるで聖母のようだった…。あの頭の抱え込み方、聖母でしかない。渇きが苦しくて仕方がないこと、人を襲って血を飲むのがどれほど辛いことなのかをわかっているマサフェリーは純粋な少年にそんな思いをさせたくなかったんですね。兄の血を吸わせてしまえば永遠に闇を彷徨って生きることになるのもダメ。すべてを避けるためにはあれしか道はなく、そしてそれがバンパイアの唯一の救い、、、。理解はできるんだけど辛い、悲しい。悲しい現実を目の前にそのことを受け止めるしかなかったマサフェリー、あまりにもつらい。


マサフェリーって結構脳内お花畑なところあるんだなぁと思うんです。というより、自己中心的。マサフェリーの行動は全て100%の善意から成り立っているけれど、ネガティブ故なのか相手の気持ちを考えるのが苦手。そんなんだから村で友達いなかったんでしょうね。消極的で自分のことなんか、という気持ちが先行してしまうので、せっかくマサフェリーを気遣ったり思いやったりしてもそれが彼に伝わらないのだから、周りの人間は近寄らなくなってしまうんじゃないかな。

彼女と結婚することに決まったけれど家同士が決めたこと、彼女の本心はわからない。そんな風に原作で話していますが、最後の最後まで両思いだったとは信じ切れていないのかも。だから昔の恋人は自分を忘れて幸せになってるだろうなんて考えが出てくる。逆に人の心を読み取るのが得意なウォーレンからすればやれやれですよね…。ウォーレンがマサフェリーを殴るシーン、個人的には結構衝撃的*1だったのですが、あそこまでやらないと自分の自己中さは理解できなかったろうな。

兄弟のお父さんを元に戻せるかもしれない、共存の道があるかもしれない、救いがあるかもしれない、とか。俺が必ず見つけてみせる。本気でそう思ってるけれど、自分に言い聞かせている意味合いもあったのかなと。目の前のことを見ようとしていなかった、と言っていました。考えたらわかってしまいそうだから、考えていなかった可能性もあるかもしれない。

救いを信じるマサフェリーの、諦めたらそこで終わるというのは、諦めなければ叶うというわけではなく、ただ終わらないというだけなんですよね。あまりにも残酷…。

だけどきちんと自分も納得できる救いの道を見つけることができてよかったなぁと思います。簡単な道ではないでしょうけれど、諦めなかったからこそ見つけた希望なんですよね。最後に自らの命を断つ3人はきっと晴れやかな顔をしているんでしょうね。悲劇のような喜劇だなぁと思いました。

 

みんながバンパイアになった経緯の詳細が明らかになりましたね!これは嬉しかった!もともとマサフェリー以外明確にはわからなかったので。

生贄に選ばれた兄の身代わりとして森へ行くよう父親に言われ、褒めてもらいたかったのに最後まで触れてもらえなかった。もうこんなところまでレンに寄せてくるのさぁ〜〜〜ずるいじゃん!愛されたいから女性を口説いて取っ替え引っ替え。でも本当に欲しかったのはそんな薄ぺらな愛じゃなくて信頼だったんだろうなぁ。それをくれたのはアイレスとマサフェリーなんだよなぁ。長い間バンパイアとして過ごしてもどこか人間らしいウォーレンは、もしかするとバンパイアになれて良かったところもあるのかもしれないと思います。うたプリくんはいい加減キャラに当て書きで生い立ちなぞるのをやめろ〜!(やめるな〜!)

 

戦闘シーン、今回も素敵でした。vsホメロスではマサフェリーだけ剣がないのでマントで(魔法で?)戦うのがすごくかっこいい。しかし今回は圧倒的な力の差に個々では太刀打ちができず、ポラリスと同じ手法で勝ちます(!)手と手を重ねて、力を込めて……アームズシンフォニー!!!(違)(違)(違)シンクロ率は何%ですか…。いいですよね、男の子の夢ですもんね。というのは置いといて、殺陣も立ち回りも素敵でした。

個人的に、久しぶりに剣を使った殺陣が見られたこと、獣と戦うシーンは敵の数も多くて見応えがあったのが嬉しかったです。バディは銃と体術がメインだったし。

魔法の演出が手首につけた鏡なのも面白かったな!え〜失敗したら変なところにガンガン反射するんじゃない?!と思ったけど一度もそんなことはありませんでした。すごい(素人)。全景で見たらまたいろいろ見えてきそうだなと映像で見るのも楽しみになりました。

 

人間を滅ぼそうとしていたホメロスさま、でも彼からすれば虐げてきた人間のほうこそ悪で、正義と悪は表裏一体だな〜となりました。光の中に身を置く者の詭弁だとマサフェリーの理想を切り捨てられてしまって、それも一理あるんだよなぁと思ってしまいますね。さすがに彼は悪いヤツに違いはないですが!

テオドールだっていい奴とは言えないけど、あんな過去があればなぁと思ってしまいます。最後は人間だった時の気持ちを思い出して滅びるのが救い、マサフェリーたちはそう理解したわけですが、テオドールが最後に助けを求めたのは…お母さん…。彼は彼なりに救われたのならいいなぁ。

 

衣装のお話を!今回もさすが、手が込んでますね。劇シャイの衣装大好きなんです。

マサフェリーのマント、というかマントつけている人全員、布量が多すぎる…!全員合わせて何十メートル分ですか、、、ひゃく超えるのでは…?重いだろうし引っ掛かったり踏んでしまったら危ないから役者さんにも大変な負担だろうと思うのですが、やっぱり見栄えを考えると本当に素晴らしいですね!ひらひら舞うのが美しくてずっと見ていたい。マサフェリーとホメロスさまのマント捌き大好きでした。

王宮衣装も可愛かったです。アイレスすごく似合ってた。回想シーンの衣装は時代が結構前のものなのかなぁというのも伝わってよかったです。アイレスの恋人なんてかなり昔っぽい感じのお洋服着てましたし。日焼け止め(日除け?)を塗れば昼間でも過ごせるのは新情報だったかな!

うずまき柄のフードのやつもすごい可愛かった。

レビュー衣装は眩しすぎ〜!(笑)あれが似合う役者さん、お顔も同じくらい輝いているのでは?シアシャイシリーズは全体的に衣装がギラギラスパンコールでしたね。バディが落ち着いて見えてきます。

 


レビューコーナー…
ペンライトの準備時間?がいつもより少ないです。アンサンブルさんの盛り上げコーナーもない、公演時間の関係でしょうか。着替えがささっと終わるのかもしれない。キャストが出るまで時間あるかなぁと思ったらスッと出てきたからちょっとびっくりしました。普通に出てきた。もっと派手に登場してもいいんですよ…?ブラシャぽいといえばぽいんですが。


正直原曲が大好きすぎるのと、個性があまりにも強いのでこれ大丈夫なのかなぁなんて思ってました。真斗、小節きいてるし。バンパイアの曲で小節…小節……?となるけど、、、。何度聴いても、真斗の「哀しみが溶かしィたァア〜」で全部意識を持っていかれてしまうんですよね。強い。「恋のメモリー」もあまりにも強くて真斗らしくて好きなんですが、この辺無理に再現しようとすると、なんとも言えない感じになるんじゃないかなって、、、。覚えてないよって方とか、聞いたことないよーって方は是非原曲を一度聴いてみてください!

でもそんなの余計なお世話だった〜!と思うくらい素敵でした!!アイレスの高音がすごく綺麗。藍ちゃんのパート、ただでさえ難しいのに高いから目立っちゃうし、それも踊りながらなんて本当に難しいと思うんですが、すごくすごく綺麗な声でした。しかもめっちゃ似てる……
マサフェリーも歌い方を寄せてくれてるなぁと思いました!寄せながら、自分のものにしている感じ。普段からうたプリの曲を鬼リピートしていてもスッと耳に馴染んでくれて安心してマサフェリーだなぁと思えたし、はじめのワンフレーズ(例の哀しみ…)からめちゃめちゃに良いと思いました。
ウォーレンもカッコ良かったです。JTのときより声が安定している感がしました!JTもブラシャも難しい曲なのに本当にすごいなぁと思います。

ブラシャはセクシー系のダンスでくるかなぁと思ってて、実際そんな感じだったんですが最後の方で急に可愛い動きをしだして、え?!ってなりました。あっという間に終わってしまって圧倒的に目が足りていないので次からもしっかり焼き付けたいと思います。マサフェリーの髪の毛かきあげる仕草とても良いです。

 

歓声がないのって、こんなにも寂しいんですね。シャニラブの間奏で声かけてくれるところ、え〜ん寂しい!という気持ち。座席も間引かれていて、せめて舞台から見て寂しい景色が減るようにとペンライト多めに持って行きましたが、、、。あの3人の名前呼びたいし、声援を浴びて欲しいなぁと思います。どうか、まずは東京、大阪公演を無事に走り抜けて、その後いつかまた会える機会が欲しいです。このまま終わりなんて絶対絶対いやです。素晴らしいものを届けてくれてありがとうございます。劇団シャイニングが大好きです。

 

 

今わたしは(コロナ関係なく普通に仕事多忙で)ほとんどの現場から身を引いたけど、公演が中止になったり再開したり、翻弄される人々を側から眺めてなんとも言えない気持ちになっていたわけですよ…。誰が悪いわけでもないから余計に悲しむしかない。

劇シャイはシリーズでやっていて、シアシャイシリーズは今回で最後。その最後ができないなんて悔しいじゃないですか。だから絶対に絶対に無事に公演して欲しかった。まだ東京折り返し。最後まで油断できないけれど、まずは幕が開けたことがすごく嬉しいです。

このまま最後の幕引きまで無事に、どうか!

そして元気よく劇シャイを続けてほしい〜!

劇団シャイニング最高です!!!

*1:アニメで殴ったのは真斗からだったのでそっちのイメージが強い